林 明子さんの0歳児向け絵本『きゅっ きゅっ きゅっ』|石井講次の おすすめ絵本バンザイ
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林 明子さんの0歳児向け絵本『きゅっ きゅっ きゅっ』

『きゅっ きゅっ きゅっ』
 作 林 明子
 出版社 福音館
 発行日 1986年6月20日
 対象年齢 0歳から
 評価 ★★★★

『きゅっ きゅっ きゅっ』のあらすじ

 美味しそうなスープが入ったお皿とスプーンが4つずつ並べて置いてあります。そこへうさぎ、ねずみ、くまのぬいぐるみと赤ちゃんがやってきました。ちゃんと前掛けをつけて、スプーンを持って、スープの前に座って、

おいしいスープ いただきまーす

『きゅっ きゅっ きゅっ』p3

 スープを食べていると・・・

あっ
ねずみさんが こぼした
おなかに こぼした

『きゅっ きゅっ きゅっ』p4

 こぼれたスープがねずみさんのおなかにべっとりとついてしまっています。赤ちゃんは自分の前掛けにしていたタオルを手に取り、

ふいてあげるね
きゅっ きゅっ きゅっ

『きゅっ きゅっ きゅっ』p6

 ねずみさんを綺麗に拭いてあげました。気を取り直して、スープを皆で食べていると、こんどはうざぎさんが おてて にこぼしてしまいました。
あかちゃんは、またタオルを手にとり・・・。

 ねずみ、うさぎ、くまのぬいぐるみ達がスープをこぼし、それを赤ちゃんが「きゅっ きゅっ きゅっ」と拭いてあげるパターンの繰り返しです。決まったパターンを繰り返すことで、赤ちゃんにも理解がしやすく、お話に入り込みやすくなります。

 そして、最後は赤ちゃん自身がこぼしてしまい、お母さんに拭いてもらうという繰り返しのパターンを裏切ることの小さな驚きと、今までお世話をしていた赤ちゃんがお母さんにお世話してもらう可愛らしさとお母さんの愛情が表現され、ほんわか温かい気持ちになります。





あかちゃんとのスキンシップに最適

 お話の中で、ねずみさんのおなか、うさぎさんのおてて、くまさんのあんよ、あかちゃんのおくちと順に拭いていくのですが、ウチでは、読み聞かせをしながら娘のお腹や腕や足や口も「きゅっきゅっきゅっ」と拭いてあげます。すると、くすぐったいのもあってキャッキャッ笑ってくれます。

 本当にご飯を食べている時、前掛けや顔にご飯が付いてしまったときなどに、
「あっ、〇〇ちゃんが 、こぼした。おかおにこぼした。ふいてあげるね。きゅっきゅっきゅっ。」
と絵本の世界を外に持ち出してふいてあげたりしました。そんな時、娘の頭のなかで絵本のごっこ遊びをしてることが繋がったなって思えるときがあるんです。喋れるわけでもないし、大きな反応があるわけではないのですが、あっ娘もごっこ遊びをしてるのを分かった瞬間の間というか、目の色の変化があるんです。(気のせいですかね。。。)

 いずれにせよ、簡単な動作とスキンシップなので赤ちゃんとのごっこ遊びに最適です。おすすめですね!
 

なんといっても最大の魅力は林 明子さんの絵

 この本の最大の魅力は林明子さんの描く赤ちゃんです。赤ちゃんよりも赤ちゃんなんです。写真よりも赤ちゃんの特徴を捉え正確に分かりやすく描写されています。

 お母さんに顔を拭かれるときの嫌がる表情や、お母さんの手を跳ね除けようとする身体の使い方。人形のスープを拭いている時の身体の使い方とか、タオルを持つ手。そしてなにより、無表情になってしまう顔。0歳、1歳、2歳の頃って何をするにも一生懸命集中して行う必要があるため、行動している瞬間って無表情になるんです。絵本を見た時「あーそうそう、あかちゃんってよくこの表情するんだよな〜。」と思いました。

 赤ちゃんって他の赤ちゃんや子供を見るのが大好きです。外に出かけると、他の子供を気にかけ、よーく観察しています。この絵本は、そんな赤ちゃんの要望にしっかりと答えてくれる絵に仕上がっています。

 林明子さんはインタビューで絵本の創作姿勢について言及されています。

 自分で子どものしぐさをかいても、いつも本当じゃないのね。少女漫画とかアニメーションのしぐさと、本当のしぐさの違いは歴然とあるんだけど、本当じゃないほうになっちゃうの。それでちゃんと現実の子どもを見るようになったら、頭で想像するよりも現実の方が全然すてきなの!
天才だと内なる美の叫びを画面にあらわすでしょう? 私は外なる美を追い求めているという感じなの。凡人。

 それも結局は自分が創り出すというんじゃなくて、モデルをしてくれた子どものしぐさの中から選んでるんですよね。かけなくて、追い詰められて、そして最後に子どものしぐさが決まって、かいた時に、ああ、運がよかったと思うのね。締め切りがもっと過ぎてもまだできなかったはずなのに、まあここんとこでできたからって。

 その運のよさが最初から来ることはあり得ないの。いつも永久に仕上がらないという感じなんで、脂汗流しながら、「神さま助けて」「いいかげん許して」と思いながらかいてる。

 このように、命を削るように一つの絵、一つの仕草について推敲しつくているからこそ、まるで本当に赤ちゃんを見ていいるかのように感じられる絵になっているのですね。
 私なんかが「あかちゃんの仕草が見事に捉えられていて素晴らしい。」などと簡単に批評していることが、なんだか申し訳なくなってしまいます。

 ぜひとも親子で林明子さんの素晴らしい絵を楽しんでもらいたいと思います。力を込めておすすめします!

バンザイ

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